公開 2026年9月19日 更新 2026年9月19日 監修:眼科専門医(東京都内で白内障手術を執刀する現役眼科医)

白内障手術の費用はいくら?保険診療の自己負担と多焦点レンズの追加費用

この記事の要点

保険診療(単焦点レンズ)の費用

白内障手術は「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)」として健康保険が適用される手術で、診療報酬は全国共通です。2026年時点の手術料は片眼12,100点(1点10円=121,000円)で、ここに術前検査、手術当日の薬剤・材料、術後の点眼薬などが加わります。窓口で支払う自己負担額の目安は次のとおりです。

負担割合手術当日の窓口負担(片眼・概算)主な対象
1割負担約1.5万円75歳以上(一般所得)など
2割負担約3万円75歳以上の一定所得者、70〜74歳(一般所得)
3割負担約4.5万円70歳未満、70歳以上の現役並み所得者

これに術前の検査(数千円〜1万円程度)と術後の診察・点眼薬(数千円)が別の日に加わるため、片眼のトータルでは1割負担で2万円前後、3割負担で5〜6万円前後を見込んでおくと安心です。施設による差は大きくありません。

高額療養費制度で自己負担には上限がある

1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。白内障手術の対象年齢層に多い70歳以上・一般所得の方の場合、外来の自己負担上限は月18,000円(年間上限144,000円、2026年時点)です。3割負担の現役世代でも所得区分に応じた上限(例:年収約370〜770万円で約8万円+α)があります。

事前に加入している保険者から「限度額適用認定証」を取得するか、マイナ保険証を利用して受付で限度額の適用に同意すると、窓口での支払いが最初から上限額までで済みます。両眼を同じ月に手術すると上限が1か月分で収まるため、月をまたぐより負担が少なくなることがあります。

多焦点眼内レンズの費用:選定療養と自由診療

遠くと近くの両方にピントが合いやすい多焦点眼内レンズを選ぶ場合、費用の仕組みは施設が「選定療養」の届出をしているかで変わります。

選定療養自由診療
仕組み手術の基本部分は保険適用。多焦点レンズの追加費用だけ自己負担手術・レンズすべてが保険外
片眼の目安保険の自己負担+追加費用 約20〜35万円約30〜80万円
対象レンズ国内承認レンズ(2焦点・3焦点・EDOFなど)未承認レンズを含む幅広い選択肢

追加費用はレンズの種類(2焦点か3焦点か、乱視矯正つきか)と施設によって異なります。東京都内で選定療養の届出をしている施設は姉妹サイト多焦点眼内レンズガイドで確認できます。なお、多焦点レンズは万人向けではなく、目の状態や生活スタイルによっては単焦点の方が満足度が高いこともあります。

医療費控除と保険の手術給付金

費用で施設を選ぶときの注意点

保険診療の手術費用は施設間で差がないため、費用だけで比較する意味はあまりありません。差が出るのは多焦点レンズの追加費用、自由診療のオプション(レーザー白内障手術など)、術前検査の範囲です。公式サイトや説明資料で総額の目安が明示されているか、説明時に不明瞭な追加費用がないかを確認してください。施設選びの他のポイントはクリニックの選び方にまとめています。

この記事に関するよくある質問

Q. 白内障手術は保険が使えますか?

はい。単焦点眼内レンズを用いる白内障手術(水晶体再建術)は健康保険の適用で、全国どの施設でも同じ診療報酬です。多焦点眼内レンズを選ぶ場合、選定療養の届出施設では手術の基本部分が保険適用となり、レンズの追加費用のみ自己負担になります。

Q. 両眼を手術すると費用は2倍ですか?

手術費用は片眼ごとにかかるため、単純には2倍です。ただし同じ月に両眼を手術すると高額療養費制度の上限が1か月分で済むため、月をまたぐより自己負担が少なくなることがあります。

Q. 生命保険の手術給付金は出ますか?

多くの医療保険・生命保険で白内障手術は手術給付金の対象です。日帰りでも対象になる商品が増えていますが、契約内容によるため事前に保険会社へ確認してください。診断書の作成には文書料(数千円)がかかります。

本記事は、東京都内で白内障手術を執刀する眼科専門医が内容を確認しています。記載している費用は2026年時点の診療報酬・一般的な相場にもとづく目安で、施設や条件により異なります。個別の治療方針は必ず担当医にご相談ください。